家族旅行計画のセンス 1

昨年の11月頃、弟夫婦から
2月にイギリスに行きたいとの連絡があった。
それで私は、どの位の期間なのか、
また子供達(私の甥6歳と姪4歳)も
連れて行くつもりか?と聞いた。
一緒に連れて行く、日程は5日間だと返事が来た。
すぐに「そりゃ無茶だ。日程を延ばすか、
子供達を置いていくか、
少なくともどちらか考え直しなさい」と忠告した。

東京からロンドンへのフライトは、
直行便で12時間掛かる。
更に彼らは、福島県に住んでいるから、
成田空港に到着するまでが既に小旅行だ。
そうすると、イギリスに滞在出来るのは、せいぜい三日。
その上時差も、冬は9時間(夏8時間)あるので、
こんな短い日程では、長時間のフライトの疲れも取れず、
時差ボケも直らないまま、
ただ苦労する為にだけ来るようなものだろう。

この日程自体が無茶なだけでなく、
私の弟家族と言うのは、今時田舎でも珍しいと思える程、
世間慣れしていないし、旅行にも全く慣れていないのだ。
だから、「旅行先ではコレを見てコレを体験して
コレを食べたい」などと言う目的やビジョンが無い。
特に甥と姪は、実はパニック障害のような症状があり、
人の多い場所や、慣れない人と長時間接すると、
具合が悪くなって寝込んでしまうような子供達である。
なので弟夫婦も、余程慣れた場所か理由がない限り、
積極的に行楽地などには外出させないらしい。
そんな子供達では、12時間のフライトと言う
極めて閉鎖的で特殊で不快な空間に耐えられないどころか、
成田空港に到着した時点ですら、
病気になってしまうかも知れない。

その上義妹が、唯一イギリス旅行には憧れていたが、
今まで海外旅行を一度もしたことないどころか、
飛行機にさえ一度も乗ったことがないのだ。
なので、12時間のフライトや
9時間の時差がどんなに大変か、
彼女自身が全く想像すら出来ずにいた。
義妹は、困難を笑い飛ばしたり、
周囲に迷惑を掛けても気にしないタイプでは決してなく、
逆にとても気にして落ち込んでしまうタイプなので、
この分では、彼女自体が、
初めての海外旅行&フライトの不安と疲労で、
パニックに陥ってしまうのではと心配した。
お母さんがそんな状態になるのを見たら、
ただでさえ人一倍繊細な子供達は、
本当に病気になってしまうだろう。

この中で唯一人、弟だけが
私の結婚式で仕方なくイギリスに来たことがあるのだが、
彼ですら、海外と言えば、
それまで韓国とグアムしか行ったことがなく、
イギリスでは気の毒な程バリバリに緊張していた。
元々ヨーロッパには全く興味はない上に、
仕事で忙しい中強行スケジュールで
来て貰って済まないと思った。

こんな(ある意味)純粋無菌培養のような、
揃って赤子みたいな家族四人では、
幾ら私が現地に住んでいると言っても、
ネイティブの夫も居るからと言っても、
絶対面倒見切れないと思った。
そもそも、機内と空港が半分以上を占める難関なのに、
その間は全く手助けすることが出来ない。
それらを考えると、私は夜も眠れない程心配した。

多分弟の頭の中では、彼の仕事の都合上、
まとまった休暇がとれるのは、2月の5日間だけ、
この時期子供達と一緒に旅行できるのは、
長男が就学前の今年だけ、と言う考えでいっぱいだったらしい。
責任感は強いので、何としてでも一度は
妻が憧れるイギリスへ、子供達と一緒に
連れて行かねば!と思い込んでいたらしいが、
彼の頭の中には「安全に観光を楽しむ」と言う
基本的なアイディアが欠けていた…。
旅行大好きな私の家族の中で、
何故か弟だけが旅行に興味がないからだ。

忠告後も尚「別に大変じゃないと思うけどな~」と理解出来ない弟に、
「海外旅行に対する経験も知識も極めて乏しいのに、
現地人の意見を無視して勝手に大丈夫と判断するなんて、
神経を疑うし馬鹿にも程がある。
家族を危険に晒すことになるかも知れないのに!」と
相当キツイ事を言ったら、や~っと納得した。
休暇の申請はもうしてしまったので、
代わりに家族でグアムに行くことにすると言った。
韓・中・台・香は、今はキナ臭いから避けたいと判断し、
その辺の感覚は非常に真っ当で安心した。

この平均より社会慣れしていない子供達が、
二人揃って12時間のフライトに
耐えられるようになるには、
少なくとも後10年位掛かるから、
それまでには弟の仕事の状況も変わって、
また家族一緒に旅行出来る日程が取れるかも知れない。
その時の為に出来るだけ多く、
旅行や飛行機に慣れておきなさい、と付け加えた。
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by piyoyonyonyon | 2013-02-12 15:12


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