下手な英語と悪い英語

イギリスに住んで8年目になると言うのに、
ハッキリ言って私は英語が下手
住み始めたばかりの頃は、
さすがに実践してみないと
分からない表現が沢山あったので、
少しはマシになったが、
その後さっぱり上達しない。
出来るだけテレビではなくラジオを聴いて…
等努めているが、一向に進歩しない。
思ったことが、口からサラサラ出る状態からは程遠い。

言い訳しちゃうと、元々見知らぬ人と
喋るのが苦手と言う(例え日本語でも)、
性格的なことが大きい。
ほとんど引き篭もり状態の専業主婦だから、
実際他人に会う機会も極めて少ない。

一方で、初対面でも全く躊躇しない、
元々喋るのが好きなタイプの人は、
例えボキャブラリーが少なくとも、
文法とかが滅茶苦茶でも、
伝えたいと言う気持ちが強いだけで、
語学の上達が早いと思う。
私には、その伝えたい気持ちが希薄。
例え日本人でも、「ああ、この人話通じないや」と
勝手に判断して、意志の疎通の為の努力を
早々に諦めることが多い。

それと、この国には外国人が多い上、
イギリス生まれでも地方出身者は余り方言を直さないし、
また階級や職業に寄っても話す言葉が違うので、
非常に多くの種類の英語の存在することが、
私の乏しい語学能力を益々混乱させている。
念の為、夫や夫の家族等の
聞き慣れた人の英語ならほぼ問題ない。

日本では、イギリス英語=クィーンズ・イングリッシュと
誤解している人も未だ多いようだが、
エリザベス女王のように喋る人なんて女王本人だけだし、
BBCのニュースでアナウンサーが喋るオックスブリッジも、
極一部のイギリス人だけが話す特殊な英語だ。

しかし夫は、確かに私の英語は上手くはないけれど、
「良い英語」だとは言う。
…ん? では逆に、上手でも「悪い英語」が存在するのか?
と聞くと、その通りだと答える。

ネイティブの英語と一言で言っても、
英語を母国語とする国々は多い。
このブリティッシュ・イングリッシュと、
アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリアや
ニュージーランドの英語とでは、かなり異なる。
単語や熟語、表現だけでなく、発音も大きく違う。

単刀直入に言えば、イギリスでは、
アメリカ英語はかなーり嫌われている。
この国で、もし「water」を「ワラ」なんて発音したら、
聞いて虫唾が走ると言う人間は山のように居るだろう。
(しかしイギリス人は、その点は日本人と同じで、
本人にハッキリ告げたり、感情露にしたりはしない)

私達夫婦の知り合いの日本人女性は、
英国人の彼氏に伴ってイギリスに移住する前、
アメリカで長く暮らしていたせいか、
アメリカ英語がペラペラだ。
私にしてみれば、英語が流暢で羨ましい限りだが、
夫やその友人に言わせると、
「彼女の英語は本当にヒドイ」のだそうだ。
生粋のアメリカ人の英語は嫌われるけど、
アメリカ人以外の人間がアメリカ英語を喋るのは、更に嫌われる。
と言っても、アメリカにだって、
見た目は典型的なアメリカ人じゃなくとも、
アメリカで生まれ育った人は幾らでも居るだろうし、
アメリカで長く暮らしていた外国人は、
当然アメリカ英語を身に付けなければならないから、
仕方ないだろうに…。

最近姪が、巷に溢れるアメリカ製の子供向けTV番組の影響か、
アメリカ風の喋り方をするので、
父親(義弟)は、「そんな話し方やめなさい!」
としょっちゅう注意している。
もし私がカルフォルニア訛りの英語を喋るような女だったら、
夫は、一緒に暮らすのは耐えられないので、
結婚しなかっただろうと断言する。

その影響か、今では私もアメリカ訛りが気になる…、
と言うか、ハッキリ言って気に障る。
例えば、古代エジプトやローマ等が舞台の映画で、
登場人物がバリバリのアメリカーンな
英語を喋っていたりすると、非常に違和感を覚える
ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」で、
千尋やハクの英語吹き替えが正にそうだった。
因みに、ハリウッド映画だからと言って、
常にアメリカ英語な訳ではない。

イギリスのニュースやドキュメンタリー番組等の
現地語から英語への吹き替えを見えていると、
大抵東欧人の吹き替えにはスラブ訛りの英語、
日本人の吹き替えには日本人が話す英語が使われる。

聞く話に寄ると、アメリカ英語で育った、
またはアメリカ英語に慣れ過ぎると、
余程他の英語に触れる機会がある人じゃない限り、
イギリス英語や他の英語が聞き取れなくなるらしい。
なので、アメリカで放送される
オーストラリアのソープ・オペラには、
英語の字幕が付いているそうな。

確かに、先日、カルフォルニアのホテルに滞在する
スコットランドの老夫妻のベランダで、
ヒグマが出没したと言うニュースが流れた際、
そのスコットランド人男性のインタビューに答えた英語には、
アメリカの地元ニュースをそのまま放送したので、
英語の字幕が付いていた…。
特に訛りが強過ぎる英語には聞こえなかったが、
イギリスのニュースでは、これを
「アメリカ人向けなので」と苦笑して説明していた。

その他にも、インド人の英語とかは敬遠される。
イギリスの植民地だった時代がある為、
今でも本国で英語を使う機会が非常に多く、
語彙も豊富で、一瞬流暢には聞こえても、
実はネイティブのイギリス人にさえ理解不可能な
独自に発展して来た英語ではマズイ。
本人は英語を十分喋っているつもりだから、
口調が早い分、余計厄介なのかも知れない。

我々日本人が英語の授業で習うのは、
もれなくアメリカ英語だ。
と言っても、学校の授業だけで
アメリカ風の発音を身に付ける生徒なんて滅多にいない。

一昔前までは、イギリス人は意地悪だから、
こちらの英語が下手だと無視されると、
当時ロンドンに住んでいた日本人から聞いたことがあるが、
現在は移民が増えたせいか、私が体験する限り、
発音が悪くて聞き返されることは度々あっても、
今まで無視されたことはない。
なので日本人の皆さんは、
イギリスでは自信を持って、
バリバリの日本語訛りの英語を喋って下さい。
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by piyoyonyonyon | 2014-02-22 15:05


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