誕生会でちょっと残念な出来事

今年は、義母の誕生日の家族でのお祝いを、
毎年私達夫婦が引越し記念日に使う、
16世紀から続く老舗パブで行った。

そこは、グレーター・ロンドンの南端の、
周囲には集落どころか牧草地しかない、
本当に何もない丘の頂上にポツンとある、
隠れ家的なガストロ・パプだ。

くねくね折れ曲がった細い農道しか通じておらず、
何度行ってもナビ無しでは辿り着けない。

そんな不便な立地なのに、
料理の美味しさと雰囲気の良さが評判で、
金&土曜日の夜や日曜日は、
予約無しでは絶対座れない。
その名はかなり広く知られ、
相当遠くからも客が来るようだ。
今回の私達も、7人と少なくない人数だったので、
当然予約して行った。

もしこのパブじゃなかったら、
ゴミゴミした街中のレストランの選択しかなかったから、
いつもとは違う特別な雰囲気や
美味しい料理に、義母は御満悦だった。
他の家族も皆喜んでいて、
薦めた私達夫婦も一安心と言った所だった。

ところが、お祝いの終盤で、近くの席で
一人で食事をしていた中年女性の客が、
去り際に突然怒鳴り出した。
良く聞き取れなかったが、
テーブルを片付けていたウェイトレスに向かって、
「どいてよ! 何故意地悪するの?!
こんな店もう二度と来ないわよ!!」
と言うことを叫んでいたようだ。

それ以前から揉めていた様子は全くなく、
本当に急にキレて怒鳴り出したとしか思えない。
当のウェトレスも、一瞬あっけにとられ、
「何って…、仕事しているんですけど?」
と答えているようだった。

折角雰囲気の良いパブでの、
折角和やかなお祝いだったのに、
突如その一件で空気が変わり、
つまりケチが付いたのは非常に残念だ。

普段このパブには、場所が不便なだけあって、
特別な食事を楽しみにやって来るような、
ちょっと着飾ったキチンとした客が多い。
少なくとも、サッカーを見ながら
飲み騒ぐような客は居ない。
ここでは、子供も概ね行儀が良い。
値段は平均的で特に高級ではないが、
料理の質や雰囲気に拘る人は、
イギリスの貧乏人にはほとんど居ないからだ。
結構人気のサイクリング・コースの途中に在り、
晴れた休日の日中には、サイクリストの客も多いが、
英国ではサイクリングも貧乏人のスポーツではない。

ところが、このパブからそう遠くない場所に、
「New Addington ニュー・アディントン」と言う
悪名高き貧民地帯があり(クロイドンの南西)、
義母は、その怒鳴った女性客は、
多分其処から来たのじゃないかと推測した。

長年クロイドンの大学病院に勤めていた義母は、
ニュー・アディントンからの患者も何人も診て来て、
ああ言う突然激高するようなガラの悪い態度や話方は、
典型的なニュー・アディントン住民の言動だと確信する。




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by piyoyonyonyon | 2017-04-17 15:08


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