貧民屈

グレーター・ロンドンのほぼ南西端に位置する、
New Addington ニュー・アディントンと呼ばれる地区は、
私が知る限り、イギリスで最低・最悪の地域だ。
(しかし夫に言わせると、私が良く知らないだけで、
本当はそんな場所は、イギリス中に履いて捨てる程あるらしい)。

公営住宅が集中し、従って生活保護者が多く、
貧困率が極めて高く、犯罪率も高い。
何度も言うが、イギリスでは(って言うか大抵の国では)、
貧困と犯罪は、直結した切っても切れない関係にある。

1930年代に、膨張するクロイドン市(この街自体が既にクソ)の
衛星都市として建てられた新興の街で、
ホワイト・トラッシュの巣窟であったが、
現在の住民は当然白人だけではない。
因みに、すぐ隣に「Addinton Village」と呼ばれる地域があるが、
こちらは真逆の高級住宅街として知られている。

義母が勤めていた大学病院では、何かがなくなると、
必ずニュー・アディントンへ行くと言われていた。
つまり、ニュー・アディントンからの患者(やその家族)
に寄る盗難が、病院で度々起きていた訳だ。
そもそも、貧困率が高いと、必ず不健康率も高いので、
この街からの患者は多いと思われる。

不動産価格も、周囲に比べてこの街だけガクンと低い。

ニュー・アディントンに住む、特に若年層は、
5単語毎に「FxxK」と叫ぶような、
ネイティブが聞いても訳の分からない英語
(いわゆるバカ語)を喋るらしい。

数年前、この街に住む祖母の家に遊びに行った
11、2歳の少女が、祖母の20歳位年下の
同居する恋人に強姦されて殺され、
祖母も実は虚偽発言と死体隠蔽に共謀していた
と言う事件が発覚した。
それを聞き、私も夫も、いかにも
ニュー・アディントンらしい事件だと思った。

また最近では、ニュー・アディントンの公立小学校の校長が、
イギリスの子供の肥満は深刻なので、
「お弁当には、糖分の多いジュースや清涼飲料水ではなく、
水を持たせて下さい」と言ったところ、
「自分達は紅茶でもコーヒーでも好きな物を飲むだろ。
子供に好きな物を飲ませて何が悪い」と
モンペ達から大反発。
まあこの程度の健康に対する無知・無関心は、
本当に英国中何処でも起きそうだが。

そんな伝統的な貧民屈でも、
最近は急に小金持ちになって、
ちょっくら贅沢な食事でも楽しもうと
考える住民が、増えて来ているらしい。
豊かな食生活を心掛けるのは
決して悪いことではないが、
問題は、マナーや態度、ガラが全く追い付かない事。

義母の誕生日を祝ったパブでの、
突然ウェトレスに向かって怒鳴り出した
無礼な客での一件で、後から義母が、
パブの結構近くの村に住む友人に聞いてみると、
案の定そのパブでは、予約受付の際に客の住所を聞き、
もしニュー・アディントンであれば、
断るようにしているとのことだ。

差別とも言えるが、ニュー・アディントン住民は、
それ程その店で問題行動を起こしている訳で、
他の客に不愉快な思いをさせない、
真っ当な客を失って評判を落とさない為の、
店側の生き残りを掛けた苦肉の策だそうだ。




[PR]
by piyoyonyonyon | 2017-04-18 15:10


<< 縁起でもない 誕生会でちょっと残念な出来事 >>