世界の学力

世界各国や地域別に、
15歳の学力(数学、読解力、科学的応用力)を調べた
OECD学力到達調査( PISA)の
2012年度の結果が発表された翌朝、
イギリスのBBCのトップニュースでは、
我が国の子供たちの学力が低下している!と大騒ぎだった。
前回が何位だったのかは知らないが、
今回は確か総合で26位とかで、
「これでは最早先進国ではない…」と夫も嘆いていた。
しかし私は、「何を今更騒いでいるんだろう」
と言う気持ちでこのニュースを聞いていた。
と言うのも、イギリスの学校は本当に休暇が多くて、
これではいつ勉強しているのか?と常々疑問に思っており、
当然の結果だろうと思ったからだ。

今回の結果で、上位は上海、香港、シンガポール等の
ほとんど東アジアが占め、
「ゆとり教育」を断ち切った日本も学力が回復し、
再び上位に食い込んだとのことだった。
欧州ではトップ常連で、日本が模範と見なしていた
フィンランドは、今回は大幅に順位を下げた。
これは欧州の学力が低下している訳ではなく、
単に極東が躍進しているかららしい。

英国在住の日本人記者に寄る記事に寄ると、
イギリスでは、学業が振るわない場合、
「運が悪かった」「学校や先生のせい」
「親が貧困だから」と責任転嫁するが、
上海では(多分他のアジアの国々でも)、成績が悪いのは
あくまで自分の責任として努力を惜しまない結果だと言う。
現在のイギリスの教育や躾は、
正にズブズブだらだらの「ゆとり有り過ぎ」
(またはゆとりだけ)だと実感する。

しかし、この結果からして、本当にアジアの子供達は
そんなに優秀なんだろうか?と疑問に思えてならない。
PISAは、御仕着せ勉強の知識を競うのではなく、
主に応用力や実践力、創造力を調査するものらしいが、
私の偏見からか、どうもアジア人が
概ねそれらに優れていると言う実感が沸かないのだ。
欧米に比べ、自主性の無い学力偏重主義なのは確かで、
少なくとも日本を見る限り、
今でも詰め込み式の学習を
バカ正直にこなしている子供が多いように見える。
ほとんど学校と塾のみに人生を費やす、
個性も子供時代の豊かな想い出も尊重されない社会で、
はたして本当に応用力や実践力が身に付くのだろうか?

念の為、現在のイギリス人の平均的な学力は
確かに余り良くないのかも知れないが、
優秀なイギリス人はとんでもなく優秀だ。
バカの人口の割合が多いと言うだけで、
当然全てのイギリス人がそうなのではない。
イギリスは、いつの時代も、歴史に名を残すような
偉大な学者や専門家を輩出して来た。
親の見栄も世間体も無く、個性を重視した、
本当に好きな人が柔軟に実力を伸ばす土壌が
ここにはあるように感じる。

今回中国の上海が一位に輝いた訳だが、
一人っ子政策に寄るW祖父母&両親からの
過度な期待と重圧が影響していていることは否めないと言う。
中国人の教育熱心さは、欧米人から見ると、
まるで子供の気が狂うのを促進しているかのように映るらしい。
今だ言論の自由のない国で、
下手に豊富な知識と思考力を身に付けた人間が、
はたして理想的な共産党員の枠だけで納まるのだろうか?
その中国では、例え多大な苦労の末に
有名大学を好成績で卒業しても、
釣り合う職種職場が無く(つまり必要とされているのは
第二次産業の単純労働者系なので)、
優秀な人材はどんどん海外流出している現状らしい。
そして中国のことなので、毎回上海の結果に関しては、
選りすぐりのエリートばかり参加させているのでは?
と言うギワクが付き纏うそうだ。

もっとも、この調査はあくまで学力の一部を調べるものであって、
順位が高ければ高い程良いって訳ではなく、
それこそ学力偏重的な考え方で、
実はある程度のレベルに達すれば問題ないのかも知れない。

ともあれ、現在の15歳の真の実力が発揮されるのは、
未だずっと先のことだ。
少なくとも10年程は待たなくてはならないだろう。
これから一体どうアジア人が飛躍するのか期待したい。
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by piyoyonyonyon | 2013-12-16 15:07


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