紙の力

イギリスの数多いアンティーク番組を見ていると、
時々昔の書簡が紹介されて、
凄い価値があることが発表される。
特に著名人ではなく、一般人の手紙でも、
そんなに古くもなく100年以内のものでも、
例えば、戦争中に捕虜だった夫が
過酷な状況から妻に送った手紙等は、
歴史の証人として重要なのだ。
実際文章にも、胸の詰まる内容のものが多い。

パソコンや携帯電話、スマホ等の電子通信の普及で、
こういった古い書簡は、将来絶滅するものと言われている。

私も、すっかりパソコンで文字を打つのがラクで、
ほんのちょっとの文章でも手で書くのが面倒だし、
小学校で習う漢字さえ、中々思い出せない始末だ。

こういった便利なメール、テキストに比べ、
手書きの手紙の情報量は、実は驚くほど多い。
筆跡に書き手の人柄が心情が表れるのは勿論、
選んだ筆記用具、葉書や便箋のデザイン等に、
好みや状況、時代が読み取れる。
また切手や消印でさえ、重要な情報の一つとして残る。

こうして昔の手紙の幾つかが、
何十年経っても資料として残るのに対し、
電子データは大変脆く、
ちょっとした操作であっという間に消滅する。
メールもデジカメの写真も、このブログもそうだ。

最近出版社の電子書籍からの撤退が相次ぎ、
購入したはずの書籍のデータが、
ある日忽然と自分のガジェットから消えると聞く。
一方、実際の本であれば、例え出版社が倒産しようと、
本の持ち主が何度変わろうと、後々まで残る訳だ。

旅行先で友人や家族に絵葉書を送る際、
今はデザインの良い観光葉書も中々売っていないし、
不慣れな土地で郵便局を探して切手を買うのも面倒だし、
つい携帯やスマホで写真を撮って、
写メを送ればいいや…で済まそうと考えるが、
実は絵葉書を送ることは、大変意味があることなのだ。
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by piyoyonyonyon | 2014-02-27 15:04


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