本当は何だか違う児童文学

子供の頃に読む世界の名作児童文学って、
大抵ダイジェスト版なんだけど、
もう少し大きくなってから原作の翻訳を読むと、
意外な事実や詳細が分かって、
印象が結構大きく変わることも珍しくない。

例えば、「(アルプスの少女)ハイジ」では、
フランクフルトに無理矢理連れて行かれたハイジが、
アルプスの山を恋しがって夢遊病を患うが、
これは遺伝的なものであることが分かる。
ハイジの母は、夫(ハイジの父)が事故死した後、
精神を病んで死んでしまう。
普段のハイジはハイ・テンション気味だが、
元々躁鬱の激しい不安定な精神の持ち主らしい。
また、おんじが、何故クララの足の
リハビリの知識に長けているのか、
山小屋で社会を拒絶して暮らしているのにも関わらず
品格と教養があるのかも、原作を読むとはっきりする。
ペーターは、ハイジが5歳の時点で、
既に11歳にもなっており(つまり後半で14歳)、
そんな6歳も年上なのに、
時々幼児が自分を振り向いてくれなくて
拗ねてんのかいと呆れる。

「フランダースの犬」の原作では、
主人公ネロが15歳の美少年と言う設定になっている。
15と言えば、当時は自立する年齢だった。
そんなルックスだけ良くて貧乏で、
絵ばかり描いて画家に憧れている、
地に足がついていない(ように見える)若者に、
娘のアロアが惑わされているのだから、
アロアの父のコゼツの旦那はけしからんと、
始終ネロに冷たい態度を取る。
今なら、さしずめヴィジュアル系の(無名の)ロック野郎に
熱中する娘に、気を揉む父親のようなものか…。
そう考えると、コゼツを理解出来なくもない。

「ニルスのふしぎな旅」では、
冒頭でニルスは既に14歳にもなっている。
日々家畜に悪戯をして暮らしており、
あげくに妖精(トムテ)にまでチョッカイ出して、
リベンジに小人にされてしまう話だが、
14にもなって動物苛めているようじゃ、
悪戯を越えて最早動物虐待…。

物語の舞台が100年以上も昔となると、
当然今の年齢の感覚とは、
精神的にも身体的にも社会的にも大きく違うのだけど、
当時の実態を把握することもまた難しいので、
結構戸惑うことが多い。
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by piyoyonyonyon | 2014-03-09 15:15


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