重病

夫の会社の若い女子社員は、
未だ10代の頃から長年、
「慢性疲労症候群」だと診断されていた。
この病気は、英国では略して「ME」と呼ばれ、
一般からの認識度は低く、
ウツや自律神経失調症と間違えられたり、
単なる怠け者と誤解されることも多い。
実際専門家の間でも、
多くの点が未だ明らかにされていない、
原因も決定的な治療法も分かっていない、
非常に厄介な病気だ。

ところが最近彼女は、
受話器も握っていられず落とす程の、
酷い指の関節痛をも持つようになった。
イギリスの家庭医では、
やはりMEの症状の一つだと診断されたが、
どうも納得が行かず、
父の母国ポーランドを休暇で訪れた際、
現地の医者に診て貰った。

そこで発見されたことには、
彼女はMEではなく、
実は「関節リウマチ」だったのだ。
彼女の若さを考えると、
そう思い付くのは難しかったが、
母親や祖母が同病を患っていることを考えれば、
遺伝することもある病気なので、疑う必要があった。
しかしイギリスの医者は、すっかり見落とし、
7年間も間違った薬を彼女に与え続けていた。

MEよりは研究が進んでいるとは言え、
リウマチもまた、確実な治療法が発見されていない、
とんでもなく辛い病気だ。
全身の間接だけでなく、
目や筋肉、内臓器官にまで害の及ぶことがある。
育ての母が長年苦しんでいたから分かる。

しかし、その頃に比べれば、
リウマチの研究は日に日に進歩していて、
現在では、多くの場合、
病状の進行を抑えることは可能だし、
半数近くの患者は、薬でほぼ改善・回復するそうだ。

ただし、それは日本での話で、
どんどん施設・スタッフ・費用が削られ、
すぐに診察して貰えず、
医者そのものの技量も怪しい
イギリスのNHSでは、
日本の医療並みに期待するのは難しい。
早期治療が大切なのに、誤診の為、
既に発症から7年も経過している。

その女子社員は未だ20歳代前半で、
治療が上手く進まなければ、
30代後半までには
身障者になってしまうかも知れない。
おまけに喫煙者で、
食べ物の好き嫌いが多いらしいから、前途多難だ。
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by piyoyonyonyon | 2014-12-07 15:02


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