点と線

週末に義両親の家に集まった時、
EU離脱問題を問う討論番組を見ていて、
思わず家族内でも議論が白熱した。

姪が、「何故皆そんなに怒鳴っているの?」と戸惑う程。
そこで私が「これはねえ、この国の
凄~く大事な問題なんだよー」とは説明したが、
納得したかは不明。

図式は、義弟(義妹の夫)VS
義母、夫、義妹、そして私。
…義父は寝ていた。

思えば、私のイギリスの家族の中で、
義弟だけが生粋のイギリス人で、
他はクソ外人ばかりと言う構成だ。

その上、議論に熱中し過ぎて、
義母は婿殿(義弟)にだけ
ついデザートのケーキを
盛るのを忘れたのだから、
義弟の疎外感たるや半端ないと思う。

夫と義妹は、英国生まれの英国育ちだが、
移民の両親の影響を受けて、
イギリス人と言う自覚が薄い。
もしくは、愛国心が薄い。
よく言えば、イギリスを
客観的に見ることが出来る。

なので、家族の中で義弟だけが、
「安い賃金で働く移民が、
イギリス人の職を奪ってしまっている」と考え、
「現在のイギリス人は、
最早汚いキツイ仕事をしたがらず、
外国人にやって貰うしかない」
「移民のほうが英国人より勤勉だから、
雇用側は移民を好んで雇う」
「移民の賃金が安いのは、
単にイギリス人の差別」
と言う現実を受け入れられない。

ニュースを熟知していて、
社会を良く観察している義母や夫に比べ、
私から見ても、義弟は「ナイーヴ
(本来の『世間知らず』と言う意味)」だと思う。

そもそも、国から手当ては貰っていないものの、
自分ではほとんど収入がなく、
親からの遺産と妻の僅かな給料で暮らしている、
決して汚いキツイ仕事をしようとは全く考えない、
典型的なイギリス人は義弟だ。

それに加え、多くの英国人に見られるように、
今だ「大英帝国」と言う過去の栄光から、
根底的な思想が抜け出せないかも知れない。

概ね離脱派の人々は、
英国の実力や価値を
多く見積もり過ぎているように
どうしても感じられる。

しかし、こういう自国を客観的に
眺めることの出来ない現象は、
日本人にも良く見られることで、
多分何処の国民でも、大方はそうだろう。

私は、日本については、
一応一般日本人並みの知識はあるつもりだし、
今はイギリス社会についても少しは分かる。
この二つしか知らない訳だが、
二つの点を繋いで線になった時、
線上に世界の現状が多少見えて来ることもある。

勿論、例え外国に長く住んでいても、
全ての人がそういう見方が出来る訳ではないし、
日本にしか住んだことがなくとも、
「線」、またはそれ以上の
広い視野を持った人は幾らでも居るはずだ。

けれど「点」は、多少大きくなったところで、
あくまで「点」のままだ。
点と線では、全く違う。
今までは、そんな「点」的な
国際認識でも済まされただろうが、
これからの世の中、
特にイギリスのような他民族国家では、
そんな人達ばかりだったら、
国としての質に響く大問題になる。
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by piyoyonyonyon | 2016-06-23 15:11


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