EUドミノ倒し

先日ブリュッセルのEU会議場に、
欧州議会議員で英国独立党党首の
ナイジェル・ファラージが出席し、
「何故(去ると言った)君がここに居るんだ?」
と委員長から強烈な嫌味を言われた挙句、
議員達からの大ブーイングを浴びた。

そう、こいつは、欧州議会を攻撃する為に、
欧州議会議員になっているのだ。

しかし、そんな大罵声の中でもファラージは、
全く動じることなく、挑発的な発言を繰り返し、
「EUを去るのは英国が最後ではない」との
捨て台詞を吐き、この今世紀最大の危機状態にある
イギリスの敵を、更に増やしてくれた。
まるで映画のような場面で、
この男の面の皮の厚さには改めて恐れ入る。

しかしこいつも、早速党首を辞任を発表し、
つまり表舞台からは降りて、
離脱後の後処理・責任からは、
あくまで逃げるつもりだ。

因みに、ファラージの息子は、
ロンドンのシティで金融業に携わる残留派だ。
父の支持する離脱のせいで、
実際大損害を被った。

EU離脱を発表した英国の悲惨さを見れば、
今後もEUを去りたい馬鹿な国があるの?
と聞きたくなるだろうが、
離脱ムードは多くの国で盛り上がっており、
歯止めには全くならないようだ。

何故なら、そんなことを考えるのは、
概ねイギリスの離脱支持者達と似たような層で、
ヒステリックなナショナリズムに支配され、
視野が狭く、現実を直視することが出来ず、
理屈が通じない連中だからだ。

それと、実際現在のEU自体が、万全とは程遠い。
極端な官僚主義が進み、
多くの財政破綻国を抱え、
国に寄って負担と恩恵の差は大きく開き、
不満を持つEU圏民は数知れず。
おまけにイスラムのテロの脅威や、
中近東やアフリカから押し寄せる大量難民等、
元々EU外で発生した問題(国産テロリストも多いが)が、
EUの屋台骨を大きく揺さぶる。

国民投票前、次期英国首相最有力と
言われていたボリス・ジョンソンは、
離脱後も、関税の掛からない自由市場が
EU国と出来ると勝手に楽観視して、
離脱派を引っぱって来た訳だが、
そんな虫の良過ぎることを認めれば、
他にもEU離脱を希望する国が続出する為、
絶対認められる訳がない。

実際、離脱発表後、EU側が提示して来た案は、
自由市場・貿易を継続したければ、
人の出入国の自由も認めろ!と言うことだった。

つまり、今まで通り、無制限で
南・東欧からの移民を受け入れろと言う事。
これでは、離脱の意味全くナシ…。

それでいて、EUへの発言権はもうないのだ。

もしこの取り引きが現実化すれば、
離脱派の庶民は怒り狂い、
我々外人は焼き殺されるかも知れない。

万が一、国民再投票が実施されて
今度は残留が勝利し、離脱撤回を訴えたとしても、
または、数年後に再加入を希望したとしても、
最早イギリスはEU準加盟国扱いでしかない。

そして、英国のEU離脱は、やっぱり
EUの弱体を急速化させる引き金になる。

だからこそ、EU本部は、
離脱した後の英国の悲惨な姿を、
他のEU国への見せしめとする為、
正式に離脱手続きを提出することを再三急かしている。
(…しかし、年内に始めるつもりはないらしい)

他にもEU離脱国が続出すれば、
当然EUは崩壊となる。
ファラージは、「ほれ俺の言った通りだ」と
再び高笑いするだろうが、
EUの崩壊が、英国にとっても
プラスになることは何もないどころか、
更に悲惨な状態となるだろう。
日本も多大なとばっちり受け、
世界中が英国離脱以上の大打撃を受け、
再び世界大恐慌時代の始まりと想像するのは、
決して大げさとは言い切れない。

沈み行く船から、自分達だけ救助ボートで脱出しても、
そのまま助けが現れず遭難死する、
または主船の沈没の渦に巻き込まれて
やっぱり転覆するのは、在り得ることだ。
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by piyoyonyonyon | 2016-07-11 15:08


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