イギリスの路上生活者

文化の香り高いノーフォーク州の州都
ノーリッジを訪れて気付いた事には、
路上生活者が明らかに増えた。
いや、ノーリッジだけでなく、
イギリス中で確実に増えている。
私の地元でさえ、見掛けるようになった。

今はどうだか分からないが、
一昔前までの日本の路上生活者と言うと、
田舎から出稼ぎ等で都会に出て来たものの、
体の不調で働けなくなった等の
年寄りが多かったように思う。
少なくとも私は、日本では、
地方で浮浪者を見た事がなかった。

現在のイギリスの路上生活者は、
白人(多分アングロ・サクソン)で
結構若い世代(30~40歳代)が多いように見受ける。
男性も居れば、女性も割と多い。

一方、物乞いは、肌の色の浅黒い女性が多い。
物乞いと路上生活者の違いは、
物乞いは、毛布やダンボールに包まって
其処で生活している訳ではない。
または、大荷物(家財一式)を担いで
移動している訳でもない。
物乞いは、人通りの多い街中をウロウロ歩き回って、
大抵赤ん坊を抱いて、
通行人に結構しつこく金銭を要求する。
ただ通りに座るか寝転んで、
置いた空き缶にお金を恵んで貰う人は、
この場合は物乞いとは呼ばないらしい。

この福祉の充実した国で、
一体どう言う人達が路上生活者や物乞いに
なるのだろう?と私は常々疑問に思っていた。

例えば、イギリスでは生活に困窮したら、
生活保護として無料の住居が提供される事になっている。
そう言う住居は万年大幅に不足しているので、
住居の空き待ちの人々には、
中規模以下のホテルの一室に住んで待機して貰っている。
(そう言う人達は、「ホテルでの一室で
家族で過ごすのは狭過ぎる」と文句を言う)
なので、特にロンドン等の都会周辺の
中級以下の宿泊施設は、
そう言う生活保護者が多く滞在し、
大変ガラの悪い事が多い。

しかし、違法薬物に手を出す等、
反社会的な行動が発覚すると、
生活保護の資格を剥奪される可能性がある。

生活保護を打ち切られた人達は、
無料の住居を追い出されホームレスとなる。

とは言え、例え家を失っても、
ホームレスを受け入れるシェルターが存在する。
少なくともその施設では、
三度の食事と暖かい寝床にはあり付ける。

しかし、そう言うシェルターは、
言ってしまえばトラブルメーカーばかりが集まる。
諍いや暴力は日曜茶飯事で、
実際殺人事件も起きる。

それに耐えられない人達、
またアル中ヤク中を辞められない人達は、
シェルターを出て路上生活をするしかない。

全てがこんなケースだけではないと思うが、
「ボブと言う名の猫」の作者も、
麻薬に手を出して路上生活になったらしい。

ハンガリーの友人も、同様だと言っていた。
ハンガリーでも路上生活者は確実に増えていて、
その9割はアルコール中毒。
シェルターでは酒類を飲む事が許可されていない為、
自らシェルターを出ると言う。

つまり、日本の路上生活者よりも、
自業自得な場合が多いようだが、
ヤク中やアル中とて、
困窮した社会的な弱者には違いない。

因みに、日本に最近多い、
ネットカフェやカプセル・ホテル等に住み込んで、
シャワーを浴びてから仕事に行く若者や、
イギリスのホテルで待機している生活保護者は、
ホームレスだけど路上生活者ではない。

来月ウィンザー城で行われる
ヘンリー王子の結婚式に伴い、
ウィンザー市は、路上生活者や物乞いを
目障りだから追い出すと言って、物議を醸している。
弱者を追い出すなんて無情・冷酷だと、
支援団体等から抗議を受けている訳だが、
それに対しウィンザー市長は
「路上生活者と物乞いの多くは偽者だ」と反論する。
これは単なる悔しい言い訳のように
聞こえるかも知れないが、あながち嘘ではない。

インド人に見える物乞いは、
大抵ルーマニアからのジプシーで、
実は「物乞いエージェント」と言う、
一種の巨大な犯罪者組織の一従業員だ。
彼等は、本当は結構立派な家に住んでいる。
寄り哀れに困窮しているように見せる為、
「労働」時には、何処かから赤ん坊を
借りて来る演出も欠かさない。

路上生活者の中にも、
実は家に住んでいて、「仕事として」
路上生活を装っている人が混じっているらしい。
しかし、それは一部であって、全てではないだろう。

イギリス人は、伝統的に慈善精神に富んでいるので、
お金を恵む人が多く、
物乞いや寄付金だけでも結構収入になるそうだ。




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by piyoyonyonyon | 2018-04-21 15:08


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